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2020/3/26

第四期臨床仏教師認定式開催

◆3人の新たな臨床仏教師が誕生

 社会にさまざまな問題が存在する昨今、苦を抱える方に寄り添い、その方々のこころを聴く存在がいっそう求められるようになってきました。
 「臨床仏教師養成プログラム」は、不登校・ひきこもり、虐待をはじめとする子どもや青少年の問題、そして自死・自殺問題、ターミナル期にある方々の「看取り」、高齢者や被災者の抱える苦悩など、現代のあらゆる生老病死の課題に寄り添う仏教者を養成するために開設されました。
 初の関西での開講となった今期のプログラムは、花園大学・(一社)アジア南太平洋友好協会による寄付講座として、2017年の10月より始まりました。
 このたび、第1ステップの座学(30時間)、第2ステップのワークショップ( 40時間)、そして最終ステップとなる、病院や社会福祉施設等での臨床実習(100時間以上)のあと、最終考査を経て、このたび、岩田敏靖さん(孝道教団・東京都)、野田芳樹さん(臨済宗妙心寺派・愛知県)、松山正樹さん(臨済宗妙心寺派・島根県)の3名が、晴れて第4期臨床仏教師の認定を受けました。
 また、今年は第1期臨床仏教師の更新期にあたり、伊藤竜信さん、楠恭信さんの2名が臨床仏教師として、飯島聡子さんが臨床仏教師レジデントとして、大草敏憲さんが特任臨床仏教師として更新認定を受けました。

◆社会に必要とされる存在として

 認定式は3月26日に開催されましたが、新型コロナウィルスの感染防止対策のため認定者・発表者に参加を限定し、公開研究会とともに規模を縮小して行われました。神研究主幹より認定状の授与がなされた後、臨床仏教師の方からはお一人ずつご挨拶をいただきました。
 岩田敏靖さんは、「臨床仏教師の認定を受け、身の引き締まる想いです。プログラム内でさまざ まな方とのご縁を授かり、釈尊の縁起のお教えの通り、いのちのご縁によって今ここに立たせていただき、感無量です。これまでのご縁に感謝し、これからは臨床仏教師としての自覚を保ち、世の中の苦しみと自らの心に向き合ってまいります」と語りました。
 野田芳樹さんは、「プログラムを通して多くの方にご指導をいただき感謝申し上げます。私は生まれが平成元年のため、『ゆとり世代の真っ只中』と言われることが多々ありました。ゆとり世代なりの観点があり、また、その中で苦悩することもありました。若輩者ではありますが、この世代の視座も大切にしながら研鑽を積んでいきたいと存じます」と述べました。
 松山正樹さんは、「師匠の河野太通老師(臨済宗妙心寺派前管長)は、かつて私の修行の折に『僧侶は社会に必要とされる存在でなければならない』と申しておりました。これまで座学や実習を通して知識、経験を積んでまいりましたが、まだまだ未熟者です。これからは臨床仏教師としての立場を自覚し、社会や人びとに必要とされる僧侶として精進してまいります」と述べました。
 神研究主幹は、「臨床仏教師プログラムは、その過程を通じて学び、修行を積むことを大切にしています。これから臨床仏教師として公共空間に出ていくためには、基本的な社会性、専門知識・経験が求められるのです。更新までの5年間、現場での臨床や研修はさらに厳しいものとなりますが、本日を新たなスタートとして歩んでいっていただきたい。」と述べました。
 臨床仏教師の益々のご活躍をお祈り申し上げるとともに、ご指導・ご尽力を賜りましたすべての皆様、プログラムに参加してくださいました受講生の皆様に深く御礼申し上げます。

 

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