寺子屋NPOプログラム

2007.11.08(木)~09日(金)

「寺子屋NPOプログラム」始動!!―えどがわ子どもおんぶず―

全青協では、平成12年度から、本誌誌上やフォーラムなどを通して「寺子屋NPOプログラム」を提唱してきました。これは、寺院が場を提供し、地域社会と協働しながら青少年の居場所などのNPOを運営しようという計画です。かつて寺院が寺子屋という形で教育・福祉の役割を担っていたように、地域の中での寺院の役割を再構築していきたいと考えています。(この活動の詳細はこちらをご覧ください)
13年度に入り、いよいよこのプログラムは実働段階に入ってきました。そこで、東京都江戸川区で始まった活動をご紹介いたします。

「子どもの権利条約」が国連で採択されたのは一九八九年のこと。日本が批准したのは一九九四年、世界で159番目でした。この遅さが象徴するように、条約の批准・発効後も、日本での子どもの権利に対する意識は高まったとはいえません。むしろ、少年犯罪に関する報道や世論を見ると、子どもの権利を軽視する方向へ進んでいるようにも思われます。

チャイルドラインの現場 このような状況の中、昨年12月に「寺子屋NPOプログラム」の第一弾として設立されたのが「えどがわ子どもおんぶず」です。江戸川区でさまざまな市民活動をしてきた人たちや現役の大学生、寺院の住職などが協力して生まれたこのNPOは、子どもの権利条約を指針として、子どもたちの問題の解決を図ろうとしています。

そして、「えどがわ子どもおんぶず」の最初の活動として進められているのが「えどがわチャイルドライン」です。チャイルドラインとは一九八六年にイギリスで始まった子どものための電話相談で、日本でも、一九九八年に東京・世田谷で取り組まれたのを端緒として、全国に展開しつつあります。

子どもの声を聞く 「えどがわ子どもおんぶず」でも、お説教や押し付けをせずに、子ども達の声にただ耳を傾けることから始めようとしているのです。「おんぶず」設立後に「チャイルドライン」実行委員会が開かれ、今後、電話相談を受けるスタッフの研修などが予定されています。まず5月の連休中の開設から始め、その後の常設化を目指して準備が進められているところです。

このNPOは、寿光院という寺院が場を提供し、地域の人々と協力する中で生まれたものです。全青協も人材や資金、情報の面から設立・運営を支援してきました。今後、これをモデルケースとしてさらに現場を立ち上げる予定です。

寺子屋NPOフォーラム「お寺と市民の協働を考える」
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