寺子屋サマースクール

2001.08.11

寺子屋サマースクール2001「教えの場、学びの場」

寺子屋サマースクール

8月9日から11日まで全青協の主催する寺子屋サマースクールに参加しました。今回は「ほとけさまってなーに?」をテーマに、新潟県妙高高原にある東本願寺青少年センターを会場に、2泊3日のテント生活を送りました。
私は企画段階から委員会のメンバーに入れて頂き、テーマ選定、日程作りから話し合いに加わることが出来ました。初めは「こんなことまで決めるの?」というところまで委員会のメンバーが集まり、綿密な話し合いを行いました。
とても主体性のある場所だと思い、思い付いたことを言わせてもらっていたら、メーンイベントである2日目の夜の時間を頂き、全て任されることになった時には、正直逃げ出したいと思いました。その心の声が届いたのか、アドバイザーの浅野さんには「やりたくないのなら、その時間は私がやりますよ」と言われ、どうにかこうにかやる覚悟が決まりました。話し合いは前日まで続き本番の日を迎えました。
当日は昨年同じ班だった子や見覚えのある子の成長した姿に驚き、新たに来てくれた子たちに挨拶して、妙高高原に向け出発しました。昨年参加してくれた子や今年新たに参加してくれた子、新旧交えた子ども会だったので、なかなか打ち解けないのではないかと心配していましたが、お昼ご飯をすませた時には緊張の糸も解け、和やかな雰囲気でした。
青少年センターに着いたら、まず自分たちの寝るためのテント作り。慣れない子やテントの張り方さえ知らないスタッフもいたのに、皆テキパキとテントを立て満足そうにアイスを食べていました。ブナの木の前での開会式、木の本尊を前に献灯、献花、献香。風が頬をつたい、蟻がござの上を歩く、緑のじゅうたんの上での生活が始まりました。

参加してみて

今回、全青協の寺子屋サマースクールに参加して本当に良かったと思っています。昨年会った子どもたちやスタッフに会いたいという気持ちもあり参加しましたが、昨年の反省をもとに子どもたちに伝えたいことが自分自身の中ではっきりしていたので参加しました。
それは私だけではなく、スタッフ1人ひとりが子どもたちとどう接するのか、何を聞き、何を大切にしている場所なのか、そしてそれをどう伝えるのか、少なくとも昨年からいるスタッフは分かって来ていました。そのことが今回のサマースクールのひとつひとつにあらわれていました。お勤めの際のお話、食事の前のお話、みんなそろって「頂きます」「ご馳走さま」をすること、ナイトハイク、ネイチャーウォーク、「あいつに手紙を書こう」など。
あいにく2日目のお昼すぎくらいから雨が降ってきて、カレー作りや絵本を読む企画がタープ(雨避け)の下で行うことになってしまいました。しかし雨が降っても野外で火を起こせることや絵本を読めることが、子どもたちにもスタッフにも、そして私自身にもいい体験・自信につながりました。
不自由なテントでの生活を通して、木や草、虫や鳥などのいのちを感じ、スタッフのお話からそのことの意味を子どもたちは聞いてくれて、スタッフも一緒に学ぶ。そんな3日間でした。

子どもとともに聞く

私が子ども会に参加するようになったのは、家がお寺で兄に誘われたのもきっかけでした。宗派の子ども会に参加するようになって、初めはただ単に子どもが好きで一緒に遊ぶことだけ考えていました。
でもそのうち子どもに「なぜお勤めするの?」とか「南無阿弥陀仏ってなあに?」と聞かれるようになって、自分自身お寺に住んでいても知らないことが多いなと気づき始め、考えるようになりました。考えることにより自分自身を見つめ直すきっかけになりました。「なぜ私は生まれてきたのだろう?」「どうして私は生きているのだろう?」かと。
それから子どもたちの前で話す機会があり、いのちの話、南無阿弥陀仏とは何なのかなど、私の知っているかぎりを伝えるようになりました。
自分自身、本当に教えを分かっていて子どもたちに伝えようとしているのか、頭ごなしに言いたいことだけを言っているのではないだろうかと、今も話すたび不安になっています。でも私が真剣に悩み、そして話を聞いてくれ助言してくれる仲間、そして伝えていける場所、そこが子ども会であり児童教化です。自己を問い、そのことをどこまでも教えに聞いていく場所だと思っています。
今回全青協の寺子屋サマースクールに参加してみて、子どもたちが、そしてスタッフが教えに聞いてゆく道を確かに一歩、歩み出していることを感じました。そんな場所を私も作りあげてゆければと思っています。

スタッフ・内藤宏子さん

寺子屋サマースクール2003「お寺で平和を考える!」
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