東日本大震災支援
2016.09.13
石巻 児童クラブの夏まつり2016
◆元気いっぱいの子どもたち
「こんにちは―――!」と、万石浦小学校の体育館に子どもたちの大きな声がひびきわたっています。「きょうはなにするの?」「おぼうさんだー!」......特別な一日に、ドキドキ、ワクワクしながら心を弾ませる子どもたち。小麦色に日焼けをした顔に笑顔の白い歯が輝いています。
海から吹き込むさわやかな潮風。万石浦は、宮城県石巻市と女川町にまたがる場所にあります。こちらの小学校の一帯も、東日本大震災により、多くの被害が出た地域です。
震災後、生活の再建のために共働きの家庭が増えたり、震災後離婚の増加によって片親の家庭が増えたりしているために、被災地域の児童館や学童保育に預けられる子どもたちは増加しています。万石浦小学校の児童クラブも、昨年に一クラス増え、今年はさらに賑やかな夏まつりとなりました。
みんなで歌をうたい、会は元気にスタートしました。チーム対抗の競技であるビンゴリレーでは、ビンゴカードに早く穴を開けたくて、チームで声を掛け合いながら力の限りに全力疾走!!
次は、賑やかなリレーとは対称的に、みんなで5分間の正座大会です。体育館にわたる静寂、外からセミの声が聞こえてきます。さきほどは元気に駆け回っていた子どもたちが、息をするのもこらえるほどに、じっと動かずに耐えていました。終わったときには「ほっ」。やわらかな笑顔がこぼれていました。
◆子どもたちの笑顔が希望の光
この日は全青協のスタッフ以外にも、静岡県内の仏教婦人の会「無憂樹の会」や、浄土宗宮城教区災害復興事務局のお坊さんも駆け付けてくださり、さまざまな催し物を用意してくださいました。
お抹茶体験、チョコフォンデュ、ポップコーン、かき氷、バルーンアート、うちわ作り......魅力的な各コーナに子どもたちはドキドキ、ワクワク。5年生や6年生のお兄さん、お姉さんたちは、下の学年の子たちをリードして、頼りがいのある姿を見せていました。
うちわ作りのテーマは「みんなの笑顔」。家族の笑顔や、お友達の笑顔、アニメキャラクターの絵を上手に描いていた子もいました。みんなで万石浦音頭を踊る際には、自分で描いた、その世界にたった一つのうちわを持って、笑顔の輪を広げていました。
最後は夏のまぶしい日差しのもとにスイカ割り。「そっちじゃない!」「まっすぐー!」と、元気な声が飛び交います。「僕ね、6個も食べたよ??」「スイカの皮はこっちに入れてください!?」
美味しいスイカをたくさん食べて、思い出あふれる一日となりました。
「復興へのキーマンは子どもたちです。子どもたちが元気に走り回り、沢山笑顔になってくれれば、この上ない喜びです」
災害復興事務局の方が、このようにお話下さいました。震災後、家庭の状況が変わり、やりたいことがあっても我慢せざるを得ない子がいるとのことです。経験したいことが叶う日々を子どもたちが過ごせるように......。子どもたちがたくさんの夢と希望を胸に、これからの復興の道のりを歩んでいってほしいと願うばかりです。
今後も子どもたちと関わり合いながら、全青協は精一杯の支援活動に努めていきます。(浩)