災害緊急支援
2014.11.12
【フィリピン台風】子どもたちのトラウマケア実施報告
昨年、フィリピン中部を猛烈な台風「ハイエン」が襲いました。高潮により水没した家屋や、屋根に上る人びとの映像は、鮮烈に記憶に残るところです。この台風による被災者は1600万人を超え、死者は6200人以上、未だ1500人以上が行方不明とされています。
全青協は、シャンティ国際ボランティア会と協働し、現地の中でも最貧困地域とされるサマール島の3つの村の保育園を対象として、子どもたちのトラウマケアにあたることにしました。保育園は支援が必要な人に対する健康診断や食事提供の場としても機能しています。
ケアにあたっては震災後のトラウマケアプログラムを作成し、「子どもに向けたケア」「子を持つ親に向けたケア」の両方を実施しました。子どもたちは、ゲームやおもちゃを使ったセッションを通じて、感情を身体で表現したり(自分の感情を見つめる作業)、次に台風が来たときに、どうやってそれに立ち向かうかを考えたり(トラウマ経験から立ち直る作業)しながら、ストレスを抱えた頭の中を整理し、自分を肯定できる道筋を作っていきます。
半ばレクリエーションのようなプログラムに、子どもたちは笑顔で取り組んでいました。
ケアを受けたお母さんは、「子どもは、雨や風と聞くだけでおびえていましたが、セッション後は怖がらなくなったようです」「怖いという気持ちを言葉にして出すことによって、私たち大人も、自分自身をコントロールすることができるようになった気がします」と、感想を述べていました。
この支援事業には、フィリピン台風被害緊急支援募金と、花まつり募金の一部を充当させていただきました、ご支援をいただきましたみなさまに、こころより御礼申し上げます。