あおぞら奨学基金

2022.04.21

旅立ちの春を迎えた奨学生 -あおぞら奨学基金の今

 全青協が実施している「あおぞら奨学基金」では、東日本大震災で被災した東北三県において、経済的な貧困状態にある家庭の子どもたちを対象に、月1万円、年間12万円の返還義務のない奨学金を供与しています。
 この春も、おかげさまで142名の奨学生が、晴れて高校を卒業することができました。サポートしていただいた皆様にはこころより御礼申し上げます。
 子どもたちには、年2回ほど、学校生活など近況を綴ったお手紙を書いていただいており、事務局などを経由して各サポーターにお届けしています。卒業した奨学生からも、左ページのような喜びの声が届いています。
 昨年度はコロナ禍によって、修学旅行などの学校行事や部活動の大会が中止となるなど、体験活動が減らされたことを残念がる生徒たちの声を多く聞くこととなりました。さらに、母子家庭をはじめとするひとり親家庭の経済的状況は、コロナ禍でいっそう逼迫の度合いを強めているようです。
「働きづめだった母が体調を崩し、収入が減ったため、自分がアルバイトで支えようとしたが、コロナ禍でアルバイト先が無くなってしまった」「震災で家が全壊し、再建に費用がかかる中、家計を支えていた母が病気で急逝、結婚して所帯を持っている年上のきょうだいの元に身を寄せている」など、経済的にも精神的にも困難な状況にある子どもたちは、震災から時間が経過し、各方面からの支援も手薄になった今、未来への希望を持つことが極めて難しい状態となっています。
 奨学金の振り込み手数料や通信費など、さまざまな経費が軒並み高騰している昨今ですが、一人でも多くの生徒たちの希望を未来へつなぐため、当基金では支援活動を継続していきます。引き続き支援者の皆様には、運営面でのサポートを含めて、当基金が持続可能なものとなるようご支援いただければ幸いです。

※お問い合わせは全青協03−3541−6725まで


卒業する奨学生からの手紙

※卒業感想文①
たくさんの優しさに触れて

 3年間、ご支援いただきありがとうございました。私は、幼い頃両親が離婚し、母ときょうだい2人と暮らしてきました。小学1年生の時、東日本大震災が起きました。自宅は全壊し、大好きだった祖父母も亡くなってしまいました。思い出の品物などもだめになり、悲しくて、毎日不安でいっぱいだったことを今でも覚えています。
 そんな私たちは、これまで大勢の人に助けられてきました。高校を無事に卒業できたのもサポーター様のおかげです。4月からは社会人ですが、今度は私が困っている人を手助けして、恩返しできればと思います。(宮城県・Wさん)

※卒業感想文②
奨学金と私の3年間

 1年生の頃から3年間、サポーター様にはたいへんお世話になりました。奨学金は、主に学用品や部活動の費用に使わせていただきました。お陰様で活発で有意義な高校生活を送ることができ、この度、無事に卒業いたします。
 私は今でも、サポーター様からのお手紙を読み返すことがあります。新聞を読むくせをつけようと思うきっかけをいただいたり、背中を押してくださる温かい言葉を下さったりと、奨学金のほかにもさまざまなことで感謝しています。3年間、本当にお世話になりました。ご健康が守られますよう、心からお祈りしています。(岩手県・Hさん)

※手紙の内容はプライバシーに配慮して再構成しています。

新たな道を歩み出した第9期あおぞら奨学生  -10期生の募集と支援へ向けて 能登半島地震被災地子ども支援開始!
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