正力松太郎賞
2024.03.28
第48回 正力松太郎賞受賞者が決定いたしました !!
全青協が主催する「正力松太郎賞」は、1976年より実施している表彰事業です。仏教精神に基づき、長年、日曜学校・子ども会などの青少幼年を対象とした教化活動を献身的に行っている方、あるいは仏教精神に基づき、文学・音楽・美術・演劇・スポーツ・福祉などの文化・社会活動を通じての教化活動に業績をあげている個人や団体を、毎年表彰してまいりました。
3月27日、「第48回正力松太郎賞」の選考委員会が開催されました。仏教界や各界で活躍されている選考委員各氏により、今回は本賞に「青少年修養道場」(代表・日蓮宗本像寺住職、藤岡暎邦さん/滋賀県)が選出されました。
また、さらなる活躍が期待される活動者に贈られる「奨励賞」は、楠恭信さん(曹洞宗長照寺住職/福島県)、「子ども寺子屋」(代表・浄土宗迎接院住職・伊藤信道さん/鳥取県)、「三重県曹洞宗青年会和太鼓集団」(代表・曹洞宗新堂寺住職・花井正道さん)の一氏二団体への授賞が決定いたしました。
正力松太郎賞 本賞
本像寺青少年修養道場(滋賀県守山市/代表=日蓮宗本像寺住職・藤岡 暎邦さん)
「本像寺青少年修養道場」では、1974年の開設以来、50年の長きにわたりお寺での合宿道場を行ってきました。小学3年生〜中学3年生までを対象として、夏休みに2泊3日で実施されています。
「合掌の心を育てよう」という根本精神のもと、おつとめ、静座と唱題行による修行などが行われています。また、その時々の社会状況を勘案しながら、毎年異なるテーマが設定されており、手話講座や国際交流など、さまざまな研修も実施されています。檀信徒や地域住民の協力を得ながら、OBらが企画運営、指導を行うなど、お寺と地域が一体となって子どもたちの宗教心と生きる力とを育んでいます。
正力松太郎賞 奨励賞
楠恭信さん(福島県耶麻郡猪苗代町/曹洞宗長照寺住職)
楠恭信さんは、全青協が主催する「臨床仏教師養成講座」の全課程を2015年に修了し、第1期臨床仏教師として認定されました。「宗教者にしかできないケアがある」という想いから、医療・福祉の現場に自ら赴き、緩和ケア病棟での終末期ケアや在宅医療の推進活動などを行っています。
また、地元、猪苗代町で、青少年と地域のための芸術祭を立ち上げるなど、その活動は多方面に亘っており、仏教者として地域の人びとに寄り添い、こころの安寧を支える活動は高く評価されています。
迎接院子ども寺子屋(鳥取県米子市/代表=代表=浄土宗迎接院住職 伊藤 信道さん)
「迎接院子ども寺子屋」は、2005年より開始され、毎年、夏休みと春休みの期間中、小中学生に学習の場を提供しています。住職と寺族は元教員としての経験を活かし、子どもたち一人ひとりの学びと心の成長を支援しています。
さらに、寺子屋では「お泊り会」や「プチ修行」など、子どもたちにさまざまな体験の機会を提供しており、目に見えない大切なものに気づき、感謝する心を培うなど、仏教的情操の涵養の場となっています。
三重県曹洞宗青年会和太鼓集団 鼓司(三重県津市/代表=曹洞宗新堂寺住職 花井 正道さん)
「三重県曹洞宗青年会和太鼓集団 鼓司」は、2006年より活動を開始しました。曹洞禅や仏教の未来を見つめながら、言葉で表すことのできない悟りの世界を、和太鼓の「音と所作」で伝えることに取り組んでいます。
能登半島地震の後には、石川県輪島市で開催された被災地支援のイベント「能登雪割草まつり」に参加し、被災された方々に力強い演奏を届けました。演奏を通じた教化・支援活動は広がりを見せ、さらなる活躍が期待されています。
選考委員会では、いずれの候補者のお取り組みも甲乙付け難く、今年も白熱した討議がなされました。秋には表彰式と祝賀会が予定されています。それぞれのご活動に敬意を表し、顕彰させていただくと共に、多くの仏教者が受賞者・候補者の皆様と協働して頂くことを祈念しております。