正力松太郎賞
2019.05.23
第43回正力松太郎賞 受賞者が決定いたしました!!
昨年9月から12月まで公募いたしました「第43回正力松太郎賞」の受賞者が、3月12日に開催された選考委員会にて決定いたしました。
今回は、本賞2件が授賞となりました。
青少幼年を取り巻くさまざまな社会問題が取り沙汰されている昨今、青少幼年とともに、ひたむきに仏教の示す生活を歩んでいる活動者を広く紹介することは、教育や保育の現場に一つの指針を示すことにもつながります。
地道なご活動の中で子どもたちを育み、その心に仏教の種をまいてこられた受賞者に敬意を表するとともに、ひとりでも多くの仏教者が後に続くことを願ってやみません。
正力松太郎賞 本賞
徳応寺日曜学校(代表 戸﨑 文昭さん・浄土真宗本願寺派徳応寺住職・山口県下関市)
徳応寺日曜学校は、明治初期の設立以来、「仏の子ども」を育てることを念願として子ども会活動を行ってきました。月に1回行われる定例会には小学生を中心とした子どもたちが集い、正信偈のおつとめをして法話を聞き、ゲームなどをして仲間と楽しい時間を過ごしています。
ことに毎年3月には、日曜学校を卒業する小学校6年生を主役として、「因果の小車」「花と芥子と二人の少年」等、仏教童話などの題材を用いた卒業記念創作劇を上演しています。脚本、音楽、照明、美術、衣装はすべて手作りで行われます。時代性に沿ったテーマが選ばれ、子どもと大人が同じ目線に立って一つの作品を作り上げ、発表するという経験を通じて、子どもたちの勇気や達成感を育んでいます。OBの中学生、大人をも含めて地域ぐるみで意欲的に練習を重ね、その公演数は今年で31回にものぼります。公演は地域でも評判を呼び、子どもたちの教化と地域活性化の相乗効果をもたらしています。
藤 大慶さん(京都府綾部市/浄土真宗本願寺派西福寺前住職)
藤 大慶さんは、1976年より少年野球部や日曜学校の創設、「るんびに太鼓」「短期るんびに苑」の活動などにより、不登校やひきこもり等、苦悩を抱える青少年の心に寄り添い、諸問題の解決に尽力してきました。
仏教の無我の心を核に「生命は、皆、真っ直ぐに伸びたがっている。真っ直ぐに伸びられる場(物心両面の環境)を創るのが、我々大人の責務である」との一念から、2003年に児童福祉法による児童心理治療施設(旧情緒障害児短期治療施設)「るんびに学園」(定員30名)を開園しました。被虐待、発達障害などにより家庭や学校などで苦しんでいた子どもたちを短期間預かり、豊かな自然の中で心理治療や生活指導を行い、家庭や地域で安定した生活を送れるように支援を行っています。
施設内の小・中学校の分教室(特別支援学級)では8名の教師が学校教育を、児童指導員や臨床心理士など20数名のスタッフが心理治療・生活指導にあたる中で、コミュニケーション能力や感情をコントロールする力を育み、自立できるよう、教化活動に努めています。