正力松太郎賞

2011.03.11

第35回正力松太郎賞 受賞者が決定いたしました!!

仏教精神に基づいた青少幼年の育成活動に尽力し、社会の情操教育振興に努力している個人・団体を顕彰するために贈られる正力松太郎賞の第35回の受賞者が、3月8日に開催された選考委員会にて決定いたしました。
今回は、本賞2件、青年奨励賞1件、35回を記念して授与される奨励賞5件の授賞となりました。青少年を取り巻くさまざまな社会問題が続出している今日、ひたむきに青少年とともに仏教の示す生活を歩んでいる活動者を広く紹介することは、教育現場に一つの指針を示すことにもつながります。
長年の地道な活動の中で、子どもたちの心に多くの仏教の種をまき、育んできた受賞者に敬意を表するとともに、一人でも大勢の仏教者が、後に続くことを願ってやみません。

正力松太郎賞 本賞

禿川 瑛子師(福岡県田川郡・浄土真宗本願寺派真行寺前坊守)

真行寺入寺以来約50年、地域の子ども会活動とあわせて真行寺日曜学校を開催、浄土真宗の教えに基づき、青少幼年の教化活動に尽力してこられました。
昨今は少子化の波にもまれるも、心の教育の重要性を掲げ、週一日のつどいを中心に、花まつりなどの仏教行事やお寺での合宿を通じて、子どもたちの学び場、遊び場、居場所を提供しています。毎回必ず行われるお習字の時間には、子どもたちは書道の習熟を目指すと共に、心を落ち着けて集中し取り組むことの大切さを学んでいます。
おつとめの時間や法話、子どもたちとのさまざまな対話を通じて、仏さまの智慧と慈悲を伝え、物や生き物を大切にする心、周りの人に感謝できる心など、人として生きるために大切なことを教えています。

NPO法人 鎌倉てらこや(神奈川県鎌倉市・代表 池田雅之氏/早稲田大学教授)

不登校・いじめなど、昨今の子どもを取り巻く状況を改善するため、個別の教育的対応だけではない「地域総がかり」による取り組みが必要との考えから、寺社と大学、市民ボランティアの三者の協働による新しい組織として、2003年に始動しました。
寺社のもつ教育力を活用しながら、子どもたちの心身の健全育成を目指す現代版の「てらこや」を作ろうと、鎌倉地域の寺社を拠点とし活動しています。小・中学生を対象に、年に2回のお寺合宿や年に各10回程度開催される稲作体験、陶芸体験、朗読教室、また毎週開かれる子どもの居場所「てらハウス」など、学校や家庭の個別教育では補いづらい体験学習・感動体験を中心としたさまざまなカリキュラムを通じ、子どもたちの生きる力を培い、宗教的情操を養っています。

第4回青年奨励賞

根本 紹徹師(岐阜県関市・臨済宗妙心寺派大禅寺住職)

自死念慮者や自死遺族が安心して対話し、悩みを打ち明けられるようにと2004年より、インターネット上に承認制のコミュニティー「消えない人」を立ち上げ、自死念慮者救済の活動を開始されました。インターネット上の活動のほかにも、電話や手紙、面談など、年間3,000件以上の相談を受けています。
自死念慮者のインターネット上でのSOSをとらえ、その信頼関係を足がかりに、相談者に実際に会う「オフ会」やキャンプ合宿、「ネット坐禅会」などを開催。孤独を感じることの多い相談者に、心のつながりを実感してもらうよう努めています。また、寺院、警察、病院、学校、地域等との連携をすすめ、自死対策への包括的なネットワークづくりと緊急時の救出保護方法を模索、ひとりでも多くの自死念慮者を救おうと日々奔走しています。

第35回記念 奨励賞

今里 晃玄師(香川県坂出市・浄土真宗本願寺派教専寺住職)

大正時代より続く教専寺日曜学校の指導者として、約50年にわたり多くの子どもたちを育んでこられました。週に一度のつどいと仏教行事を継続し子どもたちの宗教的情操を養うほか、一人でも多くの仏の子どもを育てるために、四国全体の四州教区の浄土真宗本願寺派少年連盟を再結成。連帯の輪を全国に広げ、日曜学校指導者の育成と、新たな日曜学校の開設を推進しています。

中西 玄禮師(兵庫県姫路市・浄土宗西山禅林寺派管長)

学生時代より青少幼年への教化活動を開始され、童話、人形劇、パネルシアター等による教化を積極的に進めてこられました。「歩々是道場」をモットーに、学校、企業、公民館、病院、喫茶店などあらゆる場所に赴き、長年にわたり布教伝道を実践。現在も、テレフォン法話やインターネット伝道など、仏教教化の新たな可能性を模索しながら、幼児から高齢者まで、誰にでもわかる仏教の伝道を使命としています。

杉の子こども会(三重県伊賀市・代表 角出好隆師/浄土宗長泉寺住職)

角出誠堂前住職により日曜学校として開設されて以来、約50年にわたり、仏教信仰を育むことを願いとして、学習、勤労、ボランティアなどの奉仕、集団生活、仏前参詣などさまざまな活動を通じて、「かしこくて、おだやかな」子どもの育成に取り組んできました。現在では、新住職とそれぞれの寺族の4人体制で、大勢の地域の協力者とともに、子どもたちへの心のこもった指導を続けています。

仙法志明照園日曜学校(北海道利尻郡・代表 工藤浄真師/浄土宗専称寺住職)

学童保育、子ども会の開設を経て、1973年、工藤浄真住職により日曜学校が開設されました。「明るく、正しく、仲よく」の仏教の根本精神を基調とし、週に一度のつどいと仏教行事、地域での行事参加等を通じて、長年にわたり子どもたちの健全育成をすすめています。日曜学校には、現在でも周辺地区のほとんどの子どもたちが参加。地域住民と深く連帯し、町ぐるみで教化活動を推進しています。

アジア仏教徒協会 ASIAFUND「ABAミャンマー子ども基金」(長崎県佐世保市・代表 茨木兆輝師/曹洞宗西蓮寺東堂)

青少年育成と地域文化の高揚を目的に、1960年代に創立された会を再組成、1983年にアジア仏教徒協会が設立されました。以来、ミャンマーをはじめとするアジア地域にて、学校・子ども病院の建設や、浄水機器の設置など、教育支援活動や保健医療活動を推進しています。また、アジア地域の仏教系青少年団体等と協働し、日韓や日中の子どもたちの仏教文化交流を行うなど、日本とアジア諸国の架け橋として活発に活動しています。

第34回正力松太郎賞 受賞者が決定いたしました!! 第36回正力松太郎賞 受賞者が決定いたしました!!
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