正力松太郎賞
2009.03.04
第33回正力松太郎賞 受賞者が決定いたしました!!
昨年9月から同12月まで公募しました「第33回正力松太郎賞」の受賞者が、決定されました。
今年3月4日の正力松太郎賞選考会では、永年にわたり宗教情操教化活動に地道な努力を重ね、着実に成果をあげてこられた候補者の方々に、選考委員による討議は難航。結果、青年奨励賞を含む2氏1団体が受賞されました。受賞された方々のほかにも、日本全国には仏教精神に基づいて精力的に活動を続ける大勢の方々がおられます。これを心に留め、輝く子どもたちの笑顔のために、さらなる教化活動の輪が広がることを願ってやみません。
正力松太郎賞 本賞
畑﨑龍定師(西山浄土宗・常福寺住職)
常福寺住職のかたわら和歌山県内で小学校教諭として定年まで勤務。その間、昭和22年5月に自坊で、仏教精神に基づく「はまゆう子供会」を開設。また、県内外の寺院や地域社会の小学校・幼稚園・保育園・子供会などに招かれて講演や口演童話紙芝居の活動も続けてきた。
活動の動機は、戦時中、京都西山専門学校に在学していた頃、随身をしていた総本山光明寺で強制疎開をさせられた小学生と一緒に生活をして、これからの寺院における教化活動の第一は、青少年に仏教精神を身につけさせることだと強く感じたことにある。
昭和43年、全国青少年教化協議会中央研修会より「優秀日校」として表彰され、平成12年に第40回久留島武彦文化賞、平成19年には、みなべ学び功労賞を受賞。
他にも全国童話人協会副会長や西山浄土宗布教師としても活躍。
今回、こうした60年以上の長きに亘り、子供会活動や紙芝居による青少幼年を対象とした教化活動の功績が高く評価され、受賞に至った。
ゆめ観音実行委員会(代表・横山敏明師/曹洞宗・大船観音寺住職)
「つながる~ひろがる~アジアのねがい」をスローガンとして、大船観音寺を会場に、「ゆめ観音アジアフェスティバル」を平成11年より開催。アジア各国の僧侶による法要のほか、アジア各地の民族舞踊や音楽の公演なども開く。
開催の動機は、大船観音にはアジアからの参拝者が多いことから、観音信仰で結ばれたアジア各国・各地域の人々が集い、皆が楽しめる場を設けたいと考えたことにある。
そこで、大船観音は世界恒久平和を念願して建立されたことからも、その平和の願いが大船からアジア、そして世界へと広がるよう願って、大船観音寺・SOTO禅インターナショナルを中心に「ゆめ観音実行委員会を組織した。
回を重ねるごとに認知度は高まり、来場者も増え、地元の恒例行事として定着してきている。また、鎌倉市や、かながわ国際交流財団などの協力・後援を得られるようになり、平成18年には神奈川県知事より感謝状が贈られた。
今回、アジア各国民・諸民族の文化への理解を深め、平和を希求する新たなかたちを構築した功績が高く評価され、受賞に至った。
第2回青年奨励賞
廣部光信師(天台宗・教林坊住職)
20年間無住で崩壊寸前にあった寺院を平成7年より修繕を始め、平成16年には、寺院として多くの人々が集えるまでに復興させた。その間、平成15年の書院の修復完成を期に、支援者への報恩と社会への奉仕を志して、宗務庁を退職し、自坊を拠点とする教化活動に専念。これまで多くの人々が寺院・仏教に親しめるよう、さまざまな教化活動を展開してきた。
日常使われる仏教語を平易な言葉で解説した書籍の刊行や、中学生の職場体験の受け入れ、小学生を対象にした法話・写経・坐禅・抹茶作法の体験会、芸術作品展の開催などその活動は多岐に亘る。
今回、これまで寺院を独力で復興し、青少年も含め多くの人々を対象とした開拓性のある教化活動が高く評価され、また、その将来性が大いに期待されて「青年奨励賞」を受賞するに至った。