正力松太郎賞
2007.03.26
第31回正力松太郎賞 受賞者が決定いたしました!!
昨年8月から同12月まで公募しました「第31回正力松太郎賞」の受賞者が、3月26日に開催した選考委員会で決定されました。
今回は、下記の2件に授賞が決定いたしました。
今回の選考では、寺院での子ども会の存続が難しい中、さまざまな角度で教化活動に取り組むことでの継続の可能性を感じる結果となりました。長年地道な活動を実践してこられた受賞者の方々に敬意を表するとともに、一人でも多くの仏教者があとに続くことを願って止みません。
正力松太郎賞 本賞
藤沢哲真師(滋賀県/浄土真宗本願寺派・寳幢寺住職)
藤沢哲真さんは、戦後の地域社会での物心両面の荒廃に対し、仏教精神を支柱にした「よい地域社会」をつくるため、地域に根ざした実践指導を行ってきました。西出地区子ども会の母体となった「西出少年団」は、戦後まもない昭和21年4月、中学校の男子児童生徒で野球チームをつくろうと結成されました。この「西出少年団」を皮切りに、翌年には「寳幢寺仏教婦人会」、昭和33年には小中学校の女子児童生徒を対象にした「仲良しクラブ」、昭和47年に「寳幢寺仏教壮年会」、昭和52年には「寳幢寺習字クラブ」が相次いで開始されました。平成2年には70歳以上の希望者対象の「楽しみ会」が始まるなど、現在も活発な活動が続いています。
このように、時代の変遷とともに藤沢さんの活動目的も、荒廃した社会の改善から、羨望や欲望といった豊かな社会がもたらす弊害への警鐘と変化していきました。しかしその根底には常に「宗教的使命感に基づく伝道の姿勢」が貫かれています。85年に渡る生涯を通して、子ども会をはじめとするさまざまな教化活動を精力的に展開してきた功績が高く評価され、今回の受賞となりました。
絵日傘人形劇研究会(秋田県/代表:真宗大谷派廣誓寺住職・亀崎英潤師)
「絵日傘人形劇研究会」は、秋田県由利本荘市内の社会人混声合唱団に参加していた若者たちが、ボランティア活動に取り組もうと昭和46年に発足しました。2年後には代表の亀崎さんが住職を務める廣誓寺の建物を改修、子どもたちの文化と福祉の場として、人形劇場が設置されました。
人形を始め、照明・音響装置・脚本・効果音・音楽など、すべて自前の手作り。何度か会員不足等の問題から存続の危機もありました。しかし、それを乗り越え、「遊びの中の児童文化」としての人形劇を通じて、子どもたちに愛のすばらしさやいのちの大切さなど、人として最も大切なものを感取ってもらえるようにと活動を続けています。
平成2年、県内外から13団体を招いて行われた人形劇の祭典「緑の風カーニバル」の主催をはじめ、国民文化祭や真宗大谷派蓮如上人500回御遠忌に合わせた「こども御遠忌」など、数々のイベントに出演している他、郡市内の保育園や老人ホーム等を対象に幅広く活動を行っています。人形劇による青少幼年の健全育成や情操教育の振興、また地域に密着した文化活動の向上に貢献してきた功績が高く評価され、今回の受賞となりました。