正力松太郎賞

2006.03.01

第30回正力松太郎賞 受賞者が決定いたしました!!

昨年8月から同12月まで公募しました「第30回正力松太郎賞」の受賞者が、3月1日に開催した選考委員会で決定されました。

今回は、下記の2件に授賞が決定しました。
青少年を取り巻くさまざまな社会問題が続出している今日、ひたむきに青少年とともに仏教の示す生活を歩んでいる活動者を広く紹介することは、教育現場に一つの指針を示すことにもつながります。
長年の地道な活動の中で、子どもたちの心の中に多くの仏教の種をまき、育ててきた受賞者に敬意を表するとともに、一人でも大勢の仏教者が、後に続いてくれることを願ってやみません。

正力松太郎賞 本賞

三輪照峰師(東京都北区・真言宗智山派地福寺住職)

三輪師は「世界ハンセン病友の会」代表を務め、国立ハンセン病療養所・多磨全生園の駐在布教師として35年に渡りハンセン病患者・回復者の支援事業に取り組んできました。ことに、一貫して回復者の人権回復に尽力した功績により、2000年度第15回東京弁護士会人権賞を受賞しています。
以後、活動の場は海外にも広がり、NHKの海外放送でもハンセン病への理解を訴えたり、回復者の社会的自立を支援するため、ミャンマーに作業所を建設するなどしています。ここではミシンを使った縫製などの技術支援を行い、渇水で悩む地域では井戸を掘って清潔な水の提供をするなど、生活の向上に努めました。 師は、それまでハンセン病の根底にあった貧困という問題を亡くすために教育の普及をこころがけ、国内では海外留学生の滞在支援を目的とした学生寮の運営・海外ではミャンマーに外国語教育のための学校を設立し支援を続けています。
このように、ハンセン病回復者への理解と世間の差別や偏見に対する改善運動、抑圧されてきた人権の回復活動を長年にわたり多方面で実践してきた点が高く評価され、このたびの受賞となりました。

了見寺日曜学校(東京都練馬区・代表/井口 文雄師・真宗大谷派了見寺住職)

代表の井口文雄師は、練馬和光保育園の園長を長年務める中で、乳幼児の福祉と宗教情操教育の大切さを痛感してきました。また、地域社会が変化し、少子化や都市化・家庭の育児機能の低下をも懸念してきました。
そこで、昭和30年から了見寺日曜学校を開設し、小中学生を対象に日曜学校を開催してきました。さらに宗派内においても児童教化の礎を作り、広く指導をする傍ら、仏教青年会・壮年会・婦人会・同朋会を開設し、門徒のみならず地域の活性化を担うなど、布教教化の実践に大きな実績を残しています。昭和63年には厚生大臣表彰・保護司としての功績により平成8年には法務大臣表彰を受賞しています。
日曜学校のプログラムは多岐にわたり、潮干狩り・プール・遠足・花祭り・林間学校・成道会などバラエティに富んだ児童教化活動を通年で行い、常に子どもたちと向かいながら継続的に活動を展開しています。その業績や、さまざまな教化活動を精力的に展開してきた功績が高く評価され、このたびの受賞となりました。

第30回記念 青年奨励賞

今回は、30回を記念して、奨励賞が設けられました。受賞者は下記の5名です。

  • 熊谷靖彦師(佐賀県嬉野市・浄土宗本應寺住職)
  • 藤沢哲真師(滋賀県相荘町・浄土真宗本願寺派法幢寺前住職)
  • 野坂法行師(千葉県大多喜町・日蓮宗妙厳寺住職)
  • 高谷俊賢師(兵庫県高砂市・真宗大谷派正蓮寺前住職)
  • 特定非営利活動法人 インドマイトリの会(大阪市福島区・理事長/水野梅秀師・曹洞宗大宝寺住職)
第29回正力松太郎賞 受賞者が決定いたしました!! 正力松太郎賞30周年・現代名僧墨蹟展40周年・ぴっぱら500号発行 記念式典開催!
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