正力松太郎賞

2004.03.08

第28回正力松太郎賞 受賞者が決定いたしました!!

昨年8月から同12月まで公募しました「第28回正力松太郎賞」の受賞者が、3月8日に開催した選考委員会で決定されました。

今回は、下記の3件に授賞が決定しました。
指針とすべきものを見出せずにいる現代の子どもたちに、仏教界ができることは、求められていることはなんなのか。今年の受賞者は、そんな視点もとり入れながら選考されました。受賞者の多彩な活動に敬意を表するとともに、一人でも多くの仏教者が、後に続いて子ども達と向かい合ってくれることを願って止みません。

正力松太郎賞 本賞

岩上寛了師 (埼玉県・高野山真言宗長勝寺住職)

表彰式での岩上さん 個人の部で受賞した岩上寛了さんは、昭和37年に聞いた講演がきっかけで日曜学校を開設しました。読売新聞社主で全青協の創立に携わった正力松太郎氏による、お寺での子ども会の喜びと重要性を語った講演です。翌38年、総代会での了承を得て活動を開始。以来40年、毎月の日曜学校のほかに、おこもり子ども会や灯篭流し、書道展や旅行など、子どものうちからお寺を上下の別なく過ごす場とすることで、仏教を人生の基礎としていってほしいと願って活動してきました。
このように、40年にわたり日曜学校を開催し、仏教情操の普及に努めてこられた点が高く評価されました。

□サンガラトナ・法天・マナケ師(インド ナグプール市・天台宗インド禅定林住職)

京都でのパネル展でのサンガさん 個人の部で同時に受賞したサンガラトナ・法天・マナケさんは、インドのナグプールで生まれましたが、9歳で来日し、比叡山で出家得度しました。以来約15年間修行を続けた後、1986年に帰国。インド禅定林をナグプールに開いて仏教復興の布教活動を始め、日曜学校も開設して子どもたちへの教育を始めました。95年には「パンニャメッタ子どもの家」を開設し、孤児や家庭に事情のある子どもたちを預かって教育しています。また、日本とインドを往復しながら講演活動を展開する中で、インドの現状を日本の人々や子どもたちに伝えています。
このように、日本とインド両国で子どもと携わり、両国仏教の架け橋として精力的に活動している点が高く評価されました。

□フィールド・ソサイエティ―(京都府京都市左京区/代表・久山喜久雄氏)

団体の部で受賞したフィールドソサイエティー森の子クラブは、代表の久山喜久雄さんと、活動の拠点となっている法然院の梶田真章住職との協働によって生まれました。境内に広がる豊かな自然を自然学習の場として活かし、子供たちの体験学習活動の拠点とするために、平成元年に設立されました。寺院を場とし、市民の手によるNPOが運営するという協働の中で、自然観察会やものづくり体験、環境調査や農林業の体験などを通じて子どもたちに豊かな感性や観察眼を養い、いのちのつながりを知る機会を提供しています。
このように、身近な自然や生き物と親しむことで、「生きることは支えあうこと」という仏教精神の普及に努め、子どもたちの教育に広く貢献している点が高く評価されました。

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