正力松太郎賞
2001.06.07
第25回正力松太郎賞 受賞者が決定しました!!
第25回正力松太郎賞の表彰式が、今年6月7日に、東京・上野の松坂屋にて行われました。
正力松太郎賞 本賞
【個人の部】
寺口良英(てらぐち・りょうえい)師(曹洞宗宗徳寺住職/長野県安曇郡)
寺口師は、駒澤大学在学中、青少年教化の重要性を感じ、児童教育部に所属して研鑚を深めました。卒業後は自坊で仏教子ども会活動を始めたほか、地域子ども会の世話役などを積極的に務め、青少年、父母から高い信頼を得るようになります。
こうした活動を続ける中で、仏教者として子どもたちの状況(不登校、いじめなど)を憂い、昭和52年から全国的なネットワークを持って不登校や非行に走る子どもたちの問題解決にあたっている民間団体「意識教育研究所」及び財団法人「育てる会」の世話役(受け入れ先)を引き受けました。その活動の一貫として、長期、短期で訪れる多くの青少年と自坊で生活をともにし、生活体験の中で仏教を伝え、育成に成果をあげており、その数は数百人にのぼるといいます。
また、電話相談活動も常に行っており、個人的に相談を受けたうえで子どもたちの受け入れも続けています。「現代かけ込み寺」の観をもち、お寺には門がなく、子どもたちやお年寄りが集いやすい形で開放し、妻の芳子様とともに24時間態勢で対応を続けています。
このように、仏教者として現代的な課題である不登校、いじめ、非行問題などに早くから真摯に取り組み、20年以上も継続して24時間態勢でお寺を開放して対応を続けている点、課題解決のために青少年とともに生活をする中で仏教精神を伝え、その育成に成果をあげている点が高く評価されました。
【団体の部】
成田山はぼたん日曜学校(なりたさん・はぼたんにちようがっこう)
代表・橋本照稔(はしもと・しょうじん)師(真言宗智山派大本山成田山新勝寺寺務長/千葉県成田市)
成田山はぼたん日曜学校は、子どもたちの心身の健全な育成と豊かな宗教情操教育を養うことを目的として昭和25年に開設されました。以来51年間、一山をあげての活動として位置付けられ、教育的情熱を持つ成田山の青年僧及び職員が力を合わせて取り組み、多くの卒業生を輩出してきました。
現在も、月二回、第一、第三日曜日の午前中に開催、小学校1年生から6年生まで約70名を対象に、通常の日曜学校活動(礼拝、法話、静観、レクゲーム、奉仕活動など)をはじめ、地域の環境美化運動、さまざまな団体との親善交流活動、募金活動に力を入れ、地域における宗教情操活動、社会奉仕活動に大いに貢献しています。
そのプログラムは、成田山福祉教化研究会の年間カリキュラムに従い、入学式から卒業式まで各月ごとにテーマ(合掌、和、慈悲、布施など)と目標(感謝・挨拶、なかよく、おもいやり・いつくしみなど)を掲げ、宗教教育を系統的に行い、成果をあげています。
また、父母との連携にも心を注ぎ、毎月、テーマに即した文書伝道も行っています。
このように、結成から51年間、一山をあげて継続的に取り組み、地域における宗教情操教育に大きな成果をあげている点、地域の環境美化運動や各種団体との親善交流活動に力を入れ、社会奉仕活動に貢献している点、成田山の豊かな組織と人材のもと、今後ますますの発展が期待される点が高く評価されました。
第25回記念 奨励賞
今回は25回を記念して「奨励賞」が設定されました。これは、今後ますますの活躍を期待して贈られるもので、次の5件に、賞状と副賞(記念品)が授与されました。
林 錬友師(山梨県・日蓮宗柳川寺住職)
38年間に渡り、仏教精神に基づいて、視覚障害をもつ青少年の文化向上のため点訳活動を続けてきました。
諸橋精光師(新潟県・真言宗豊山派千蔵院副住職)
仏教説話などを絵本・紙芝居などを通じて子供たちに伝え、宗教情操心を育成してきました。
了見寺日曜学校(東京都・代表/真宗大谷派了見寺住職 井口文雄師)
困難とされる大都市の中で、45年間に渡る子ども会活動を継続し、リーダー育成にも力を注ぐなどしてきました。
五位堂安養日曜学校(奈良県・代表/浄土宗寶樹寺住職 中村隆宣師)
50年余りにわたり、親子三代に渡って子ども会活動を継続してきました。
愛和会=学校へ行けない子どもと共に歩む父母の会(兵庫県・代表/天台宗清水寺住職 清水谷善英師)
衆生済度のひとつとして、寺院を開放し、不登校の子供を持つ親たちのカウンセリングや懇談、また子供たちの交流の場を提供しています。