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ひまわりプロジェクト
2023.08.10
ウクライナ子ども支援「ひまわりプロジェクト」
ウクライナから日本へ避難している高校生をサポートして頂けませんか――。そう呼びかけるキャンペーン「ひまわりプロジェクト」をスタートした。7月31日に開催した支援報告会にはウクライナ人の高校生3人を招いた。3人は懸命に勉強中の日本語で「大学に進学したい」といった夢をそれぞれに語った。当日の会場には約30人が出席。オンラインでも多くの人が高校生たちの切実な話に聞き入った。
「子どもたちに豊かな地球をつなぐキャンペーン」を展開しているのは全国青少年教化協議会、全日本仏教婦人連盟、日本仏教保育協会の3団体。もともとは、地球温暖化などの負の遺産を次世代に引き継ぎたくないという思いからスタートした。それがひいては「共生社会」の実現につながるとの願いからだ。
その一環として2022年から、日本で避難生活を送るウクライナ人高校生への支援も始めた。ロシア軍のウクライナ侵攻が長期化し、国外への避難者は800万人を超えると伝えられている。日本にも約2000人程が避難し、そのうち約450人が未成年という。「ひまわりプロジェクト」では、返済する必要のない奨学金の供与や日本の文化体験などの事業を始めている。
7月31日に東京都内で開催した支援報告会「ウクライナの今と明日を考える」には、石川県輪島市にある「日本航空高校石川」から女子2人と男子1人が参加した。引率した国際部の安寅奎教諭は「みなさまがウクライナのことを考えて頂くきっかけになれば、3人にとって話をする甲斐があると思います」とあいさつした。
山梨県にもキャンパスをもつ学校法人日本航空学園は「空を通じて世界をつなぐ」という理念のもと、多くの留学生を受け入れてきた。今回の戦争が起きると理事長はすぐに支援を表明し、30人近くのウクライナ人高校生を迎え入れた。
報告会ではまず、東部ハルキウ出身のヴァレリア・ロトリエヴァさん(高3)がマイクを手にした。母親と2人で日本へ避難中だ。高校では書道部に入り、将来は芸術関係に進みたいという。故郷から電車で西へ逃げるときの怖さを述べたあと、こう話した。
「自由は生まれながらにして人に与えられる権利です。ウクライナ人はそれをあきらめるべきではありません。戦争は不幸をもたらします。何千もの罪のない命が犠牲になる必要はありません。地球が、私たち全員にとってふるさとであり続けるために、人々は平和のために戦わなければなりません」
次に話したマリア・リスヒナさん(高2)もハルキウの出身で、書道部に所属している。両親や祖父母、幼いきょうだいとは離れ離れだ。
「逃げていたときの話はここではできません。思い出すだけでとてもつらく、言葉にできない悲しみを感じます」。しかし、日本で生きていくことは良いチャンスだと前向きにとらえている。「もし可能であれば、日本の大学に進学して、日本の伝統的な芸術を学びたいと考えています」と語る。
ゲオルグ・ハバロフさん(高2)もひとりで日本へ避難してきた。首都キーウ近郊の出身。ウクライナの高校にいたときから日本に親しみを感じ、日本語の通訳になりたいと考えていた。ところが戦争が始まり、思わぬ形で日本へ。避難先のポーランドで、SNSで知り合った日本人の手助けで来日することができたのだ。
「日本とウクライナの架け橋になるだけではなく、世界中の平和のための架け橋になりたい。それがぼくの夢です」
この日の報告会にはオレクサンドル・セメニューク駐日ウクライナ公使参事官と外務省の近藤紀文欧州局中・東欧課長、元・駐ウクライナ大使の角茂樹氏が列席。ウクライナとの連帯や、日本へ避難している人たちへの支援などをそれぞれ呼びかけた。
全青協の神仁代表執行理事は、最後に「日本にいる約450人のウクライナの子どもたち全員に支援が行きわたるよう、ひまわりプロジェクトを進めていきたい」「多くの方々のご協力をお待ちしております」と語った。
このプロジェクトへのご寄附は、「みずほ銀行 中野坂上支店(普)1055305」、口座名義「公益財団法人 全国青少年教化協議会」。郵便振替をご希望の場合は、振替用紙をお送りいたしますのでご一報ください。お問い合わせは、全青協(03-3541-6725/gbs@zenseikyo.or.jp)へ。