臨床仏教研究所
臨床仏教師養成プログラム ワークショップ課程開催報告
全青協附属の臨床仏教研究所では、支えを必要とする人が少しでも苦しみを和らげることができるための専門的な知識や実践経験を積んだ仏教者「臨床仏教師」の養成講座を、昨年5月から開催しています。この度、第2ステップとなるワークショップ課程が無事、終了しました。
受講者は九州・北陸といった遠方からも参加しています。途中で悪天候に見舞われる回もありましたが、出席率が8割を超えたことは、各々が問題意識を持ち、苦を抱く人に寄り添おうとする意欲の表れであったように思います。
また、臨床仏教師を目指す仲間として受講者同士の連帯意識も回を追うごとに高まり、お互いに刺激し合うことで、一層良い学びの場になっていたように感じられました。
全8回のワークショップ課程では、現場で活動する仏教者や専門家をお招きし、対人関係におけるケアの技術習得を目指しました。最終講では、これまで学んできたことの再確認として、カウンセリングの場を模してロールプレイを実施。受講者は3人1組に分かれ、①相談者②聴き手③観察者の役割を順番に演じていきました。
三つの役割を演じることで、相談者が聴き手に求める思いや、聴く側の難しさを体感し理解することができ、多くの受講者から、「学んできた傾聴法や対人関係療法などの、集大成のようなワークでした」という感想が寄せられました。
次のステップ、OJT(On the Job Training)課程に進むには、筆記試験等の通過が課せられます。受講者にとっては難しい関門ですが、OJT課程では実際に現場へ赴き、悲嘆者等と接することになります。指導を受けながら、病院・児童養護施設・自死遺族の支援団体などで実践を重ね、今秋には国内初の臨床仏教師が誕生する予定です。(鈴)