寺子屋ふぁみりあ
2013.07.11
あらためて「ひきこもり」を考えてみる
6月6日の寺子屋ふぁみりあは、社会福祉士の菱沼智明さんをお招きし、「あらためて『ひきこもり』を考えてみる」とのタイトルでご講演いただきました。
菱沼さんは家庭教師や家庭訪問をするようになって、不登校やひきこもりの子どもたちと関わるようになり、現在では24時間対応のいじめの電話相談をされています。
電話相談は子ども(18歳以下)の相談窓口ですが、20歳代・30歳代が相談できる機関が少ないことから、大人(成人)の相談が増えているそうです。
「以前と相談の内容で変化がありますか?」という参加者からの質問に対しては、戸惑うような相談が増えており、話をしながら一緒に解決の糸口を探していくのではなく、どうしたら解決できるかという具体的な答えを求める方が多いそうです。
また、最近は精神科などの病院やクリニックに通う方が増えていて、薬を服用している方がとても多いのが気になるそうです。小学生でも10種類以上の薬を飲んでいたりするので、この点は10年、20年前とはだいぶ違っているとのことでした。
菱沼さんは、最終的には本人がどうやって生活していくかは自分で決めることなので、親は子どもと一緒に過ごしながら、少し距離をおいて関わっていくことしかできないと述べました。
親が基本的にしてあげられることはないのかもしれませんが、子どもが求めているのであれば、そばにいてあげてほしいとのことでした。
また、親が子どものためだけを思っているときは、逆に本人はより深刻に感じてしまうものなので、親は親なりにやりがいや楽しみを見つけることが、子どもにとっては悩みから解放されたり、ひきこもりから抜け出すきっかけになるとのお話でした。
最後に、以下の書籍の紹介がありました。
紹介文献
『楽天主義セラピー』R.カールソン
『不登校・ひきこもりを生きる』高岡健
『精神科は今日も、やりたい放題』内海聡