寺子屋ふぁみりあ

2010.09.15

東京都のひきこもり支援事業「コンパス」

池田太郎氏の講演

「寺子屋ふぁみりあ」9月例会は、前半はNPO法人星槎教育研究所において、引きこもり・ニートの家庭訪問支援(アウトリーチ)に取り組んでいる、訪問サポート士・池田太郎氏の講演「東京都のひきこもり支援事業『コンパス』~星槎教育研究所の取組から~」でした。

「コンパス」とは、都内在住の若者の社会参加を応援するため、東京都がNPOとの協働により、ひきこもり支援を行うネットワーク事業です。

具体的な支援メニューとしては、【No.1】訪問相談・支援、【No.2】自宅以外の居場所の提供、【No.3】社会参加への準備支援の3種類があり、星槎教育研究所においては、【No.1】と【No.2】の2つを実施しています。

訪問支援においては、訪問支援員・ボランティアスタッフの2名でひきこもっている家庭を訪問し、本人や家族の相談に応じたり、情報提供に外出同行や、居場所などへの誘導を行います。

訪問先には、心身の病気や障害を抱えていたり、アスペルガー症候群やLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)といった発達の課題を抱えている方など、さまざまな方々がいらっしゃいますが、個々人に応じたアプローチをとっていくことにより、アルバイトなどの就労を開始したり、居場所への継続的な参加を始めたり、高校などへ通学を始める方もいるとのことです。

また星槎教育研究所では、東京都新宿区において、「神楽坂フリースペース」と呼ばれる若者の居場所を開設しています。

フリースペースにおいては、1.キャリアプログラム、2.自律サポート、3.癒し、4.レクリエーション、5.朝食クラブの、5つのカテゴリーに分かれた参加型・活動型のプログラムを実施しており、若者たちのコミュニケーション能力を向上させたり、人間関係の構築能力をのばすための様々な試みが展開されています。

コンパスの支援終了者の中には、就労、就学される方もいますが、他に職業訓練の受講を始める方や医療機関への自主的な通院を開始する方、外出のバリエーションが増えた方などもいらっしゃいます。

問うてみませんか?家庭の場(3) ひきこもり当事者の体験から
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