寺子屋ふぁみりあ

2017.02.02

聴くことから始まるコミュニケーション

11月10日、今年度7回目の「寺子屋ふぁみりあ」が開催されました。今回は全青協主幹・神仁が「聴くことから始まるコミュニケーション」というテーマでお話しました。

神主幹は冒頭で「コミュニケーションとは何でしょう?」と問い掛けました。コミュニケーションとは、"情報の共有"だといいます。さらに言えば、"心を共有すること"であるそうです。

さて、その"心を共有する"コミュニケーションの手段には、二つの側面があるそうで、一つは言語的な側面、もう一つは非言語的側面です。言語的側面とは文字通り「言葉・文字」によるコミュニケーション、非言語的側面とは「イントネーション・ジェスチャー・表情」などによるコミュニケーションです。

メラビアンというアメリカの心理学者の実験によれば、コミュニケーションにおいて、言語によって伝わる部分はわずか7%に過ぎません。一方で、非言語によって伝わる部分は93%にも上ります。ちなみに非言語の中では、聴覚によって伝わるものが38%、視覚によって伝わるものが58%と、表情や視線といった目に見えるところが相手に対して大きな影響を与えていることがわかっています。したがって、私たちは相手に何かを伝えるときに、言語と非言語が一致していないと自分の真意を伝えることができていないということになります。要するに、言語的な部分と非言語的な部分をしっかりと一致させて相手に伝えることが、コミュニケーションにとって最も重要なポイントであるといえそうです。

もう一つ、コミュニケーションにとって重要なポイントは"きくこと"であると、神主幹は述べています。それは、相手の表面的な言葉だけではなく、その背景まで含めた"相手の心をきくこと"が大切だそうです。「きく」という日本語にはいくつかの漢字がありますが、神主幹は「聞く」・「聴く」「訊く」の違いについて参加者の皆さんに尋ねました。「聞く」とは、英語の「hear」に当たり、耳で言語を聞くこと。「聴く」は「listen」に当たり、耳と目と心をアンテナにして非言語を聴くこと。「訊く」は「ask」に当たり、尋問的に問いつめることであるそうです。

私たちは、ともすると、訊くコミュニケーションをしてしまいます。特に家族に対してはそうかもしれません。そうではなく、聴くコミュニケーションをし、相手の心を受け止めることが大切なのだと、神主幹は強調しました。また、聴くコミュニケーションの際には、「傾聴」と「共感」を意識することが重要であるとの指摘もされました。

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今回の「寺子屋ふぁみりあ」では、コミュニケーションについて考えました。講義の途中には、「傾聴のワークショップ」も行い、参加者一人ひとりがコミュニケーションについて深く考えるとても良い機会になったように思います。"相手に伝えること"そして"相手を受け入れること"の奥義を学んだような気がします。

元当事者のお話 阿弥陀さま
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