寺子屋ふぁみりあ

2010.12.20

人の泉 オープンスペース"Be!"

2010年最後の寺子屋ふぁみりあは、「人の泉 オープンスペース"Be!"」代表の、佐藤由美子先生による講演でした。

佐藤先生は5年間中学校で教員をされた後、長男の不登校をきっかけとして、 1980年代にフリースクールの活動に携わりました。 そして自分の力が発揮しやすい場を求めて、1995年に不登校の子どもたちの居場所として、オープンスペース"Be!"を始めました。 その後、青年期の方がだんだんと増えて行き、現在は20代から40代の方をメインとした、成人の居場所に移行しています。

オープンスペース"Be!"は、ゆったりした時間と空間、人とつながりがほしいと思う利用者が自発的に訪ねる居場所で、東京都世田谷区で活動しています。活動の中心は、週2回、昼食やおやつを一緒に作って食べることです。オープンスペース"Be!"には、さまざまな利用者が足を運びます。不登校の人。知的なハンディを負っている人、ホームレス状態になっている人。 2、3年全然来なかった若者がふらりと来ることもあります。

ひきこもりの方でも、知的にボーダーな方でも、ホームレスの方でも、その人にはその人なりのプライドがあります。得てして親は、プライドを無視し、傷つける発言もしがちですが、そのようなことをし続けると、コミュニケーションの断絶を招くこともあるかもしれません。

「なぜ、ひきこもったのか」「学校になぜ行かないのか」と問い詰めるのではなく、「今、何を思って悩んでいるか」「どういう状態で何を大事にしているのか」 「どこへ行きたいのか」といったことを、親御さんはできるだけ感じ取り、少しでも応援してあげられるかが重要であり、そして親と子の絆は深まるのではと思います。それが一番大事なことではないでしょうか。

今回は民間支援団体の現場の意見、大変参考になるものでした。佐藤先生、ありがとうございました。

発達障害とひきこもり 発達障害がある人の社会における生きにくさから支援を考える (3) ひきこもり状態にある方の理解と対応
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